30女ののんびりブログ

アラサー女のなんでもない雑食ブログです。

昔の話をしたくなりまして 帰り道

小学一年生から鍵っ子だった私は
同級生とは家の方向が違い
一人で歩いていた


黄色い帽子に赤いランドセル
狭い道だが町の主要道路で車はガンガン通っている
歩道はなく、申し訳程度のガードレールと車道の外側の白線の間を歩く


ガードレールの横を流れる川をしばらく立ち止まってぼーっと眺めていた


川の堤防と川の流れの境目をじっと見たことのある人は
何人くらいいるのだろうか


しばらく川の流れを見ていると動いているのは水ではなく、陸のほうにいる自分たちが動いているかのような錯覚が起こる


それをある時発見して、自分がどんどん家と反対の方へ動いている!?とハッとなったことがある
思わずガードレールに手をつき、ぼーっと眺めているのをやめて意識をはっきりさせて自分が動いていないのを確かめる
そんなことをやることのない帰り道小学校6年間で何度も繰り返した


帰り道はとにかくすることがない
ただ家に向かって歩くだけ
友達もいない


暇だ


暇な小学生は何をするか
そう!頭の中に自分の世界を繰り広げるのです



ある時は小人になって、まわりの物がすべて大きい妄想しながら歩いた
柿の木になっているオレンジ色の柿の実は大型トラックのタイヤほどの大きさで運ぶのが大変
下校中にある他人の家の庭にある丸い生垣の大きさくらいのイチゴがあれば嫌いな野菜など食べずともずっと好きなだけ食べていられるから幸せだ
家にあるはずのクッキーも全部が大きくてチョコチップ入りなら最高
飼っている猫の背中に乗って移動して
リカちゃんのドールハウスや着たことのないひらひらのドレスを着る


ある時はまだ見つけてもらえていない歌手の女の子
実はこの辺をスカウトの人がたまたま通りかかり自分の歌声に惚れ華々しくデビューして人気歌手に!!!
スカウトがほんとにいてもいいように少し大きい声で歌いながら歩いた
歌っていたのは忍たま乱太郎の主題歌だったような気がする


ある時は大富豪の令嬢。
お金には苦労せず
ほしいものは何でも手に入る
行きたいところにはどこにでも行けて、そんな私の周りには常に人がいる
きらびやかな生活をしている
9999億9999万9999円ある!となんともまあ金額も実に小学生らしい。頭悪い。


魔法が使えて世界を救ったり
とってもかっこいいヒーローが彼氏だったり
現実で嫌なことがあったとき帰り道の頭の中で嫌いな相手をけちょんけちょんにしてやったり
先生のいない世界
人のいない世界
車のない世界
ドラえもんがいたら何を出してもらうか真剣に悩んでみたり


小学生女子の脳内は
今思い出すと黒歴史じみた
恥ずかしいけど
少しかわいくも思えるようなものでした


…いやかわいくない。やっぱり恥ずかしい妄想でした。ひえ~…