30女ののんびりブログ

アラサー女のなんでもない雑食ブログです。

昔の話をしたくなりまして 父と星空

私の父は瞬間湯沸かし器みたいな人です
短気ですぐに怒ります
すぐに母を怒鳴ります
イラっとしたら運転も荒いし
本気で怒るときは手だって出ます


とてもケチで、安いものが大好き
値引きシールのお惣菜ばかり買ってくる
サンキやシミズに売っている聞いたことないブランドのやっすいボディーソープや
シャンプーを自慢げに買ってくる


心が狭く、運転していても絶対脇から合流しようとしてくる車は入れてあげないし
でも自分は多少強引に入ったりする


子供の時の学校行事はすべてお母さんが来ていたし
お父さんは、ただ買い物に連れて行ってくれる人。


昭和の時代の、亭主関白



そんな父だが
私は父を嫌いなわけではない。


正直昔はあんまり好きではなかったが、
ケチでもなんでもいろんなものを買ってくれていたし
買い物だなんだとすべて父の運転でいろんなところへ家族で出かけたりした



小学校2年生の時
自分が目が悪いなんて気が付かなかったが
視力検査で引っ掛かり眼鏡を作った
父が選んだミッキーの手がつるに入っている赤い眼鏡が
人生で初めての眼鏡。
すごいクリアになった視界に感動した



眼鏡を作った日、初めて父と二人夜空を見上げて星を見た
夜空はこんなにいろんな星があったのか
自分は今までこんなきれいな空の下にいて
星の大きさや色の違いを知らなかったんだとびっくりした


真っ黒ででもどこか少し青くて
山は真っ黒、空よりもさらに黒
真上には大小さまざまな星が輝いていて
キラキラきらきら瞬いていた


飛行機の赤いぴかぴか光る電気
反対の方にも飛行機が飛んでいて、こっちは緑に光る


そしてたくさんの流れ星


父と二人、寒いねと鼻を赤くしながら
初めて見る星がうれしくて
次から次へ流れる流れ星がほんとにきれいで
「あっ!ほら!!見た!?」
「見たみた!!長かったね!!」とずっと興奮して話していた


真っ暗な夜でも全然怖くない
父がいるし
星はきれいだし


ドラマを見るより
漫画を見るより楽しい時間だった


田舎には街灯もなく、
民家も離れているから電気が邪魔になることなんてなくて
星を見るには最適のシチュエーションだったのだ


今では私の昔の家があったところの横に太いバイパスが通り
家の周りを囲むようにあった桃畑もなくなっている


もうあの時の場所で
あの星空を見ることはできないけど
あの感動はまだ心に残っている


亭主関白な父は
今ではだいぶ柔らかくなり
母にメロメロな還暦過ぎ
私も強くなり(笑)言い返すようになったため
そこまで理不尽な思いをすることはなくなった


まだ元気なうちに
また一緒に星を見に行こうね